« June 2009 | Main | September 2009 »

『夢をかたちに』~すばらしき先輩

明日まで!告知遅くてごめんなさい!!

池袋の東京芸術劇場のギャラリーで、
石川明「夢をかたちに」一字百姿展
石川さんのブログで開催前の一言がこちらに。

ある漢字の一文字をタイポグラフィーで100通り作ることをライフワークとしてこつこつやっているデザイナーさんがいた。その取り組みを知る人が、このイベントを思いついた。

その作品を10行10列並べてパネルにして、それが32枚(つまり32文字)の下がるギャラリー。
漢字一つ一つが、人のようにも見え、あるいは動いているようでもあり、静止しているものもあり、パネル1枚も驚きの平面だが、ギャラリー全体が、不思議空間にもなる。漢字ってすごい。でもタイポもすごい。でも石川さんはもっとすごかった。

新池袋モンパルナス西口回遊美術館のひとつの企画。この回遊美術館というイベントもいいですね。

このデザイナー、石川明さんは、日本を代表するアートディレクターで、タイポグラフィーにかけては第一人者である。手がけたロゴには、JTとかANAなどもあるので、石川さんの作品を見たことがない人は日本にはいないだろう。
10年以上前、「遊」という漢字を仕事で50個書いたことから、個人的な創作活動としておもしろいと思い、描き溜め描き溜めしてきたそうだ。さらにすごいのは、何かの仕事や活動を世に問うていくときに、シンボルマークが非常に大事だと考え(さすが、広告に携わっている方らしい)、非営利団体でそうしたシンボルを必要とする人達に、無償提供をしてきたそうだ。今回も、そうした団体から申し出があれば、このタイポの中から、1字を進呈してくれる、ということで、石川さんご自身の創作活動の社会還元も兼ねていらっしゃる。

作品、空間のすばらしさ以上に、石川さんご本人からこのお話を聞いて、感動してしまった。

私は、前職のとき、エイビーロードという雑誌がエディトリアル面でリニュアルするとき、ロゴもリニュアルデザインをしていただいたので、そのお仕事の一端は存じ上げていた。でも幼い私にとっては、大変な方に作っていただけたなあ、程度のことだったのだが。当時はエイビーだけでなく、カーセンサーとかハウジングの広告のアートディレクション一切もお任せしていたので、ロゴ制作に限らず、さまざまな場面で長い間お世話になった。デザイナーとして尊敬していたが、60を過ぎ、こうして実績を残し、それをさらに広げられる姿を見せてくださるところに、ますます先輩としてお知り合いになれてよかった(つまり、一生ついていきます!)、と心から思う。

動機は、と問えば、「創ることが好きだからね。タイポつくるのでも、画を描くのでも、なんか彫るのでもいいんだけど、これだけばやめられないよね。」って。
かっこいい(泣sweat02

もし明日池袋を通る方は、是非、お立ち寄りください。


| | Comments (1) | TrackBack (0)

時が蘇る

サイモンとガーファンクルに行ってきました。
相当観客の平均年齢が高く、おかげで、座って聴くことができました!

それにしても、すばらしい歌で、すばらしい演奏note
ポールもアートも、声がすごい。ハーモニーは昔さながら。
そしてバックのピアノもギターもサックスも、パーカスも、それだけで聴く甲斐のあるすごさ。
前日、家族が下北でライブ行ったのだが、そのバックバンドのひとたちが飲みに来ていて、飛び入りで演奏を聴けたと、ダブルの感激もあり。

Bridge Over Troubled Water
Boxer
El Condor Pasa
Sound of Scilence
My Little Town
Mrs. Robinson
とかとか、とかとか。
大学時代、仲の良かったヨーコちゃんは、ポールサイモンが大好きで、常にサイモンとガーファンクルの歌を口ずさみ、いつも「ポ~ル~」と叫んでいた。そのヨーコちゃんから、「来るのよー」と、お誘いがあったので行ったのだが、私は「好きな曲はあるけど、別に歌手として好きだったわけではない」という立場。また、実は家族にも、その情報を伝えると、「いってみたいな~」と意外な返事。何故なら家族の好きな歌手は、海外ではボブ・ディラン、国内では吉田拓郎、という泥臭い系で、ニューヨーク出身のサイモンとガーファンクルにはまったく親和性がない属性。
それでも「別に好きでもなかった私」や、「完全に趣味が違う彼」が、このコンサートの曲は全曲知っていた、めちゃくちゃ楽しんだ!何故ならどの曲も歌えるし、すぐに懐しさでいっぱいになれるから。あの場にいたあれだけの観客はみなそうだっただろう。ヨーコちゃんも、わたしたちも、同じ気持ちで幸せに帰宅した。

多分、私達の世代は、初めて世界の音楽をリアルタイムで聴くことができるようになった時代の子供だ。それはラジオだから映像はなかったけど、ビートルズに始まって、雨あられとたくさんの音楽が降り注いだ。好きな曲はラジオから必死でカセットテープに録音をして、歌詞を覚えるなんていうことを日課にしていたから、ラジオから流れる音楽は選り好みできずとにかく聴いていた。つまりだから、好きでも嫌いでも、結局毎日みんなで同じ音楽を聴いていたのだなあと思う。
今の子たちは、私達以上にそれはもうたくさんの音楽に触れることができるけど、あまりにたくさんありすぎて、そのなかから自分にあった個性的なものを選ぶことが必然になっているようだ。でも私達の時代はそんな今とは全く違う環境で、私はむしろあの時代を過ごせたことを幸せに思う。

だからこそ、その音楽を聴くと、みんなで一緒に同じ時代に戻れるのだなーと。

去年のキャロルキングに味をしめて、懐かしのアーチストはできるだけ行っとこう、と思う。
残念ながら、最初にLP買ってコンサートにいったカーペンターズとジョン・デンバーには、もう会えないけど。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

趣味は何かと問われたら

Imgp8124_5
Imgp8122_5


趣味は、と問われれば、楽器演奏とか言っていた。
なぜなら、実は趣味というほど極めたものがなく、コスト(時間やお金やマンパワー)を賭けたものがそれなのかも、と思っていたのでそう言ってみていた。
しかし。
最近どうも料理が趣味らしい、と気がついた。
なにしろ、どんだけ長時間キッチンに立っていても、自分が食べられなくても、作って出して、片すのに、なんの文句もない。
それに、おいしい、とか、ありがとう、とか言われちゃったら、木にも登る。なにしろ、クリエイティブだし。情報はいたるところにあるし。そして、なにより、評価してくれる人は、周りにいくらでもいるのだから、ホントに楽しい。

ということで、今日は楽しいお料理教室。料理教室はいろいろあれど、本日はいわゆる修行したシェフによる正統派伝統料理のクラス。
某鎌倉の、先日閉店した、そしてもうすぐ新しいお店をオープンする、シェフ(女性)が《ここまで言ったら、だれだかわかっっちゃったり・・・?》、とある普通のおうちのキッチンで、思いっきりイタリアンのフルコースを作るお教室に参加しました。

なにに感心したって、
Imgp8112_3
①切っては入れ、切って入れ、そのまま調理する、この合理的かつ、主婦コンシャスな手順
②なんだかんだ言って、何度かやらないと、おいしいものにはならないよ、という、プロのスペシャル感(ここまで見せてくれたけど、何度か作ってこそようやくおいしくなる、と師はおっしゃる)
Imgp8110_3
③そして、何より欠くべからざる、「これはおいしい・・・」という思いのもとに作る気概。おいしい食材しか仕入れてきませんでした、とか、これはおいしいので、是非つくってほしい、とか、合間合間におっしゃるのです・・・。

さて本日のメニュー
・自家製ハム・サラダ添え
・水ナスとミョウガのサラダ
・ラタトゥイユ
・いわしのリエット
・ガスパチョ
・フォカッチャ
・生シラスのリングイネ ペコリーノチーズのトッピング
・豚ロースのコートレッタ
・パンナコッタ
・コーヒー

白ワインはギリシャのシェフおすすめワイン
赤ワインはバルべーラ ダスティ(これもオススメなのだけど)

これが、なんと下ごしらえ含めて2時間15分くらいで完成し(!)、さらにシンクに鍋釜ほか洗い物が全くない状態で、いただきます!、となる。
おいしかったー。って、料理教室なのに、こうして飲みかつ食べる、の一日が終わりました。
Imgp8103_4
Imgp8115_3

帰宅して、ハムもどきとフォカッチャを作る。ハムは肉の部位が違う(ほんとは外モモがいいそうなのだが、うちにあったバラの塩豚を使った)ので評価はできないがなかなかのお味。でも、フォカッチャは失敗。オーブンの温度と時間は我が家仕様にするのにちょっと猶予を・・・。ということで、さあ、次は頑張るぞ!

| | Comments (0) | TrackBack (0)

『精神』、そして『精神病とモザイク』

『精神』
監督・想田和弘
現在、東京は渋谷のシアター・イメージフォーラムにて上映中。
その他全国30箇所近くでも。
公式ホームページ 

観察映画『精神』を観た。
モザイクをかけずに精神科の患者さんや診察風景を撮った映画がある、ということをテレビで見て、さらに最初「メンタル」というタイトルだったらしいこともどこかで見ていたので、いったいどんな画面が繰り広げられるかとあまり予備知識なしに行ってみた。

いくつかの、というより、いくつもの刺さる光景と言葉があった。
映像的には、もっと寄ってほしいところやピントがあってほしいところに、カメラが行かないもどかしさはあるのだが、映画全体の手ごたえはすごい。

感情にはいいも悪いもない。
そしてでも、そうして何か重たい感情を感じたとき、実はその感情そのものがつらいのではなく、人や自分によってそれを押さえつけられること、そのことが、私たちが生きる上で一番の苦しみであるという認識をまた新たにした。
モザイクなしで顔を出して、実名で映画に出ることを承諾した、10人にひとりくらいの稀有な人達の、想像を絶するこれまでの苦しみは、こうして心を開いていかなければ、受け止めることはできなかったかもしれない。

いまも毎週金曜の最終回は想田監督が質疑応答の時間を設けてくれているそうだ。
青山ブックセンターのトークショーが30分前に満席になって、申し込めなかったから、もう一度イメージフォーラムに行こうか。

そして。
『精神病とモザイク~タブーの世界にカメラを向ける』
想田和弘・著
中央法規・刊

この映画のメイキングでもあり、実際に取材先となった「こらーる岡山」のルポルタージュでもある。
メイキングとして読むと、私が『精神』の映像にイライラしたのは、仕方のないこととわかった。なにしろ、監督がたった一人でカメラを担いでそのたった1台のカメラで撮っていたから。
合間でカメラを担いだ監督と患者さんがそのままの体制で会話をしたり質問したりしあうところはあるが、多くの場面がとにかくただカメラを回す撮りきりであったという作りの方法やアイディアの裏側がわかる。またそれだけでなく映画を撮ろうとした狙いや効果も、あるいは編集時の迷いや期待も、赤裸々に書かれている。
そして「観察映画」という想田監督が切り開いたひとつのカテゴリーを理解するためには、最新にして最強のテキストでもある。この部分は、テレビを中心とした作り物世界に嫌気がさしているわたしなどにとっては、ある意味胸のつかえが降りる痛快さもある、おもしろい読み物だった。

さらにこの『精神病とモザイク』は、現代日本の精神病や精神病患者、精神科の診察の実態をつぶさに知らせるルポルタージュである。
映画は、これまでの映画のように、監督の意図に副って映像と音声を組み合わせて作られた部分が極力押さえられているから、どう感じるか、考えるかは、監督の意識の及ばない部分が大きい。
しかしこの本を読むと、この映画に登場した患者さんたち自身も、実際映画に出てみて、またそれを見てみて、どう感じたか、後悔したか、勇気を得たか、など、自分がその撮られていたとき考えていたことと全く違う感想を持ったということもわかる。つまり、時間の経過と共に、当たり前のことながら、心は、精神病であろうと、精神を病んでいない状態にあろうと、微妙に、あるいは大きく動いているのだ。

本来映画は出来上がった作品がすべてだから、メイキングの本は反則だと思う。でも、これは映画そのものの受け止め方が、あまりに広いものであるがゆえに、少なくとも撮影の開始から完成し、上映し、世界を回ってさまざまな意見をぶつけられた想田監督が書くものであるから、とても貴重であると思う。


精神病とモザイク">Photo_2


まだご覧になっていない方は、是非お早めに。ほんとうにお薦めします。

想田和弘監督のブログ


こらーる岡山の山本医師についてはまたいずれかの機会に書くかもしれませんが、今回はここまで。カット!

| | Comments (0) | TrackBack (0)

ダイアローグ・イン・ザ・ダーク開催中

もう3年前になるが、青山の梅窓院で行われていたダイアローグ・イン・ザ・ダーク(DID)を見に行った。
あれ?見えないから見には行かないか。
その時のブログはこちら

これまでずっと満席だった上に、このところ中休みだったが、7月4日から再開。
費用もかかり、アテンドするボランティアも大変なので、長期開催をしたいができない、というのが3年前の話。当時は確か、それでも2ヶ月以上はやっていたようだ。今回はそれを超えるロングラン。それでも、まだまだ、との思いが強いようだ。

暗闇にしばらくいると、目が慣れて、かすかに風景が見えたりする経験はあるが、このDIDは完全なる暗闇。そして、その中で耳や鼻、そして触覚を駆使して歩く。その道は視覚障害者の案内人に道案内される。

とにかく、できるだけ多くの人に体験をしてほしい。
そして、私のお友達なら、行った後に是非その体験を分かち合いたい。

ダイアローグ・イン・ザ・ダーク 公式ホームページ
空席照会、予約もここから。
http://www.dialoginthedark.com/

| | Comments (2) | TrackBack (0)

« June 2009 | Main | September 2009 »