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学生街の喫茶店

大学時代、サークルの連絡所は喫茶店。なにしろ学生運動終焉の時期だったので、学生会館は廃墟でただのハコだった。
サークルの練習場も、音楽長屋と呼ばれる木造の壊れかけた建物で、防音設備などもなく、隣の部屋からはサックスとかドラムの音がガンガン鳴り響き、練習はできるが会話はできない。

文学部門前の「あかね」には、だからもちろん、4年間お世話になった。うちのサークルのほかに、ラグビーや、野球の同好会が入っていて、顔見知りばかりの店。昼はスパゲッティやトーストとコーヒー。夜はお酒。サントリーホワイトメインで、果てはウォッカまで教わった。酔っ払わない酒だといわれ、3人で2本空けたら、翌日えらい二日酔いを初めて経験した。
夜の音楽は、シバさんがいると、中島みゆき。いつもシバさん、暗かった。
そして、私たちはというと、飲んでる間、オーナーのまさみさんの説教を受ける。
きびしー。妥協を許してくれない。知識のなさを、勉強不足をガンガンついてくる。
果ては泣かされる。悪酔いする。家に帰れない。

あかねは私たちが卒業してしばらくして、代々木に2号店を出し、時の流れとともに、早稲田は他の人の手に移る。
まさみさんは数年前、病気で亡くなった。葬儀は代々木のあかねで行われ、もう何十年も会っていなかった常連が続々集まった。懐かしい顔。その場ですぐに昔に戻れるんだ、と知る。ほんとは他の楽しい機会にみんなで会いたかったけどね。

なんでこんなことを書いたか、というと、久しぶりにあかねに当時よく一緒に飲んだ3人組で集まったから。まさみさんの奥さんのヨーコさんが待っていてくれる。
実はヨーコさんも説教体質だ。ヨーコさんは、男子担当だった。
うだうだ飲んでいたら、何と同期男子が先輩二人を連れて乱入!懐かしかったなあ、ほんと久しぶり。当たり前のように、彼らはヨーコさんに、なんだかわからないが、怒られていた。
こんなことがあるから、学生街の喫茶店はこころのふるさと、われらが母校、なのだ。

人と話すこと、人から何かを指摘されること、反論、反省。これって、こどものうちはつらい、でもおとなになるとできない。大学という中途半端な世代のこどもに対して、あれだけ真剣に厳しく話をしてくれたまさみさんとヨーコさんがいたから、ちょっとはおとなになって社会人になれた気がする。今の子たちは、いったいどこでこのレッスンを受けるのだろうか?

まさみさん、つまりこういう人です。
まさみさんの親友であかね常連の柴田さんと書いた本。写真はすべて茜三郎(まさみさんのペンネーム)によるフォトブック。
1冊の著作
Photo


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No chances , no my life !

緑の風に飛ぶ
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チャンスなかりせば、わがこの楽しき暮らしはなし。

ニコルはアメリカ人だが、なぜか日本に来て、鎌倉に住む。満員電車に揺られ東京まで通勤しているが、だんなさまは日本人。働きながら、まだ1歳児のボクの子育て真っ最中。
昨日の夜は週末の仕事疲れの中を、地元の仲間の英会話の指導までしてくれている。

ニコルが言うには、チャンスは2つの意味がある。
ひとつはLuck で、ひとつはOppotunity。
なるほど、でもどちらもチャンスがもたらしてくれるものだ。

チャンスはチャンスを生む。
ニコルにはたくさんのチャンスがあった、そしてこれからもある。
だからこその、この生活、人生。
ニコルと同じく、何で私は鎌倉に来たのだろう?
それは大きな幸運でもあり、好機でもあった。

チャンスは、幸運で好機、というポジティブなことばがとても嬉しく響いた。
ニコルが日本に来なかったら、昨日のあの時間もなかったのだし、そしてまたこんなことばは知る由もなかった。
前の会社の社訓らしきもので「自ら機会を創りだし、機会によって自らを変えよ」ということばもあったなあ。
これも好きだけど、頑張らなくっても、チャンスの女神はやってくるし、その前髪さえつかめばまた次のチャンスに出会えるのだろうな。

4日続いた雨が上がって、新緑が匂いたつ。
元気をくれる色と香り。

建長寺唐門前
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相模原市立博物館

相模原の町中から少し離れた場所に、市立の博物館がある。

もうすぐ会期が終わってしまうので、学習資料展「なつかしい学校と遊び」に駆け込む。
中学校の社会科教師をしている友人が、昨年から博物館に出向して、本格的に企画した最初の展示なので。
相模原には、なんと小学校が100以上もあるそうだ。その昔は、ほとんど人も住んでいなかったような土地に、戦前に軍用施設ができ、戦後は宅地開発や工場誘致の優先地域になったことで、今や、東京近郊では最大のベッドタウンだ。
市立の博物館というと、埼玉の大宮にあるさいたま市立博物館も大きいそうだが、相模原はさらにその上を行くらしい。建物は、すばらしくきれいで入場は無料。市内はもちろん、県内各地から学校単位の見学も多いとのこと。
しかしそれにしても市の予算は潤沢なのだな、とちょっと否定的に思わざるを得ないくらいの立派な施設だ。

さて、この企画展。
なつかしいのなんのって、自分が小学校時代に見た風景そのままがそこかしこに展示されているのだ。相模原は古くから広い蔵などがある家に長くお住まいの方が多く、ほとんどの展示物は市民からの寄贈によるものだそうだ。
児童の木の机や懐かしい教卓。運動会で履いた地下足袋。当時の献立表から再現した給食。
足踏みオルガンは、実際に弾いてもよいように置かれていた。弾いてみたら、大きないい音がした。

そこのあったのは、木や紙や布で作られたものたち。手に触れて温かみを感じるものだからこそ、懐かしさがこみ上げる。
今の子供達が、大人になって今の小学校生活を思い出すとき、プラッスティックやスチール、電子機器に囲まれた教室を、あったかい気持ちで懐かしい、と思えるのだろうか。

もはや大きくなってしまった娘に、せめて今からでも、手を使ってものを作る楽しさを伝えておきたいな。

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