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ギャラリートーク ダリ展

今上野にダリが来ている。生誕100周年記念 ダリ回顧展 ~上野の森美術館にて、来年の1月4日まで。

先日の嵐の夜に、このダリ展のギャラリートークに参加する機会に恵まれた。特徴的な口ひげと奇行で、そのシュールな絵は、さらに謎に満ちて感じられる奇才。私の中では異次元の人であり、パリのモンマルトルのダリ美術館には入ったが、娘が入りたいと言ったから連れられて、というのも、もう既に8年の前のことになる。

最初に、ダリは奇才として語られることが多いが、実は絵描きとして非常にすばらしい才能を持っているので、今日はそこもじっくり見てほしい、との話があった。閉館後の時間帯を使って行われたこのギャラリートークは、シュールレアリズムの研究で名高い東京造形大の岡村多佳夫教授が、構図や技法、作品の背景だけでなく、ダリその人の生まれ育ちから、人間関係、生活など、様々なエピソードを交え1点1点解説してくださるという贅沢な内容。大きな絵の前にたった一人立って見ることもできたし、ダリが客人を迎えたとき必ず勧めたという地元のスパークリングワインのカヴァも味わった。
そして、その3時間の間に、私はダリの絵にも、ダリその人にも、すっかり虜になってしまった。

ギャラリートークは最近多くの美術館が、教育普及活動の一つとして取り入れ始めているそうだ(今朝2006年10月21日付日経朝刊終面・「文化」の記事による)。単に作品をモノとしてだけでなく、それを見る人との関わりで理解すべきだ、ということで、「アートとは、作品と見る人との間に起こる不思議なコミュニケーション」だとも(同記事・京都造形大・福のり子教授)。
解説を読みながら絵を見るだけなら、単に感性ではなく情報によって作品を理解しようという作業だ。私の苦手だった昔の美術の授業は確かそのようなものだった。でも、このようにギャラリートークの形式で、様々な情報を得ながら複数の人と語り合い、アートを介したコミュニケーションをはかることは、感性を刺激する機会として、貴重なものだと実感した。

そして、ダリを見ながら、ダリのバッチフラワーを考えていた。
ミムラス、ヘザー、スター・オブ・ベツレヘム、ホリー。
でも、ダリはその苦しさや迷いを、愛する妻ガラに委ね、それを通して全て作品に表出していたのだから、きっとレメディは必要がなかったろう。
そう思うと、それはまた、作品に投影された天才の強さと弱さを感じるような気がしてくるから、絵を見る楽しさをふくらましてくれる。

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Comments

まさに芸術の秋!
先日上野の森のお散歩マップを入手。どっぷり浸りたくなりました。

Posted by: plumeria | 10/27/2006 at 17:19

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